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活用しよう社外の専門家!~メンタルヘルス対策に悩んだら~

承認:エディタ

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『活用しよう社外の専門家!~メンタルヘルス対策に悩んだら~』シリーズ連載開始にあたって
産業医科大学
産業生態科学研究所精神保健学
産業医実務研修センター
廣 尚典(ひろ ひさのり)先生

 

 

 私どもは一般財団法人あんしん財団との共同研究で、職場の心の健康問題対策に役立てていただける「メンタルヘルス対策支援ツール」を開発してきました。ストレスが少なく働きやすい職場づくりのヒントから、不調者が出てしまった際の対応法まで、全部で8種類あります。

 事業主や担当者の方々が、この8つのツールを活用しながら、本コーナーもチェックされて、自社の従業員の心の健康問題に向き合われることを、そしてそれを通じて職場全体の活力が向上することを願って止みません。

 本シリーズでは、職場で起こった、あるいは起こる可能性のある心の健康問題について、相談に乗ってくれる専門家、専門機関を紹介していきます。それぞれの得手、不得手、具体的な相談の仕方なども盛り込んで解説してもらいますので、ぜひお読みください。

半年間、毎月30日(予定)に計6回シリーズとして掲載いたします。

 

 






第2回 「独立行政法人労働者健康安全機構 産業保健総合支援センターについて」

企業の明るい未来のために
働く人の「こころ」「からだ」の健康を、無料でサポート!



執筆:織田  進(おだ すすむ)先生

独立行政法人労働者健康安全機構 福岡産業保健総合支援センター所長

 産業保健総合支援センターは、各都道府県に設置されている厚生労働省所管の機関であり、独立行政法人労働者健康安全機構(https://www.johas.go.jp/)により運営されています。事業場で産業保健活動に携わる産業医、保健師、衛生管理者をはじめ、事業主、人事労務担当者などの方々に対して、産業保健に関する研修や専門的な相談への対応などの支援を行っています。提供するサービスはすべて無料です。


支援事業のサービス内容

産業保健関係者からの専門的相談への対応

 産業保健相談員(医師、保健師、社労士等)が、産業保健に関する様々な問題について、窓口、電話、メール等でご相談に応じ、解決方法を助言しています。また、事業場の具体的な状況に応じた専門的な支援が必要な場合には、事業場を訪問する実地相談も実施しています。






産業保健関係者に対する専門的研修等

 産業保健に関する様々なテーマの研修を実施しています。


メンタルヘルス対策の個別訪問支援

 メンタルヘルス対策促進員(産業カウンセラー、社労士、保健師等)が事業場に訪問し、メンタルヘルス対策の導入や実施について支援します。


・ メンタルヘルス対策のための個別訪問支援
 事業場内の体制づくりや、心の健康づくり計画・職場復帰支援プログラムの作成などについて支援します
・ ストレスチェック制度にかかる個別訪問支援
 ストレスチェック制度の導入や、集団分析結果の活用・職場環境改善に関する実地相談を行います
・ 管理監督者向けメンタルヘルス教育 (支援回数は、1回限り)
 メンタルヘルス教育の継続的な実施を普及させるため、管理監督者向けのライン教育を行います
・ 若年労働者向けメンタルヘルス教育 (支援回数は、1回限り)
 就労して間もない若年層の自殺防止対策のため、セルフケアを促進するための教育を行います

治療と仕事の両立支援

 両立支援促進員(社労士、保健師、理学療法士等)が事業場に訪問し、両立支援制度の導入や患者(労働者)と事業場の間の治療と仕事の両立について支援します。

・ 個別訪問支援
 両立支援制度の導入のため、事業場内の体制づくりや規程等の整備などについて支援します。また、両立支援に関する意識啓発教育を行います。
・ 個別調整支援 (ご本人の同意が必要)
 就業上の措置・配慮についての検討や、主治医との連携、両立支援・職場復帰支援プランの作成などについて支援します


事業者・労働者に対する啓発セミナー

 職場における労働者の健康管理等の産業保健に関する啓発セミナーを実施しています。

産業保健に関する情報提供・広報啓発
 ホームページ、メールマガジン、情報誌を通じて、産業保健情報をお知らせしています。また、図書・機器の貸出等も行っています。

調査研究
 地域の産業保健活動活性化に役立つ調査研究を実施しています。ホームページに調査研究の抄録及び資料を掲載しています。


地域産業保健センター(地域窓口)の運営

 労働者数50人未満の小規模事業場では産業医の選任義務がないため、事業者やそこで働く人を対象として、労働安全衛生法で定められた保健指導などの産業保健サービスを提供しています。
福岡県には12か所の地域窓口があります。

・ 労働者の健康管理(メンタルヘルスを含む)に係る相談
 健康診断で脳・心臓疾患関係の主な検査項目(「血圧の測定」「血中脂質」「尿糖検査」「心電図検査」)に異常所見があった労働者に対して、医師または保健師が日常生活面での指導などを行います。
 メンタルヘルス不調を感じている労働者に対して、医師または保健師が相談・指導を行います。

・ 健康診断の結果についての医師からの意見聴取
 健康診断で異常所見があった労働者に関して、健康保持のための対応策などについて、事業者が医師から意見を聴くことができます。

・ 長時間労働者及びストレスチェックに係る高ストレス者に対する面接指導
 時間外労働が長時間に及ぶ労働者やストレスチェックの結果、高ストレスであるとされた労働者のうち、本人が事業者に申し出た労働者を対象に、医師が面接指導を行います。

・ 個別訪問による産業保健活動への支援
 医師、保健師または労働衛生工学の専門家が事業場を訪問し、作業環境管理、作業管理およびメンタルヘルス対策等の健康管理の状況を踏まえ総合的な助言を行います。

◎総括産業医(企業内の事業場の産業保健活動について総括的に指導を行う産業医)がいる小規模事業場は支援の対象外となります。
◎企業規模で50人未満の事業場を優先的に対応しています。本社等に産業医がいる場合には、その産業医等への協力を要請するようお願いする場合や、医療機関をご紹介する場合もありますのでご了承ください。


その他 労働者健康安全機構本部の取り組み

ストレスチェック制度サポートダイヤル(ストレスチェック制度に関する電話相談窓口)

 産業医、保健師等ストレスチェックの実施者、事業者、衛生管理者等ストレスチェック制度担当者等からのストレスチェック制度の実施方法、実施体制、不利益な取扱いなどに関する相談が可能です。

■電話番号 : 全国統一ナビダイヤル 0570-031050  
■受付時間 : 平日10時~17時(土曜、日曜、祝日、12月29日~1月3日は除く)

産業保健関係助成金

 メンタルヘルス対策や、小規模事業場における産業医の選任など、事業者の産業保健活動の取り組みに対して費用の助成を行っています。
助成金の詳細につきましては、
労働者健康安全機構のHPをご覧ください。




■電話番号 : 全国統一ナビダイヤル 0570ー783046 
■受付時間 : 平日 9時~12時/13時~18時 (土曜、日曜、祝日、12月29日~1月3日は除く)

◎サポートダイヤルや助成金専用ダイヤルがつながりにくい場合は、全国の産業保健総合支援センターへお問い合わせください。
 ■電話番号 : 全国統一ナビダイヤル 0570ー038046 
(最寄りの産業保健総合支援センターに着信します)

 



福岡産業保健総合支援センター

 福岡産業保健総合支援センター(図1)
では、九州労災病院、門司メディカルセンター、さらに治療と仕事の両立支援について、福岡大学、久留米大学、九州大学、飯塚病院に出張窓口を開設しています。さらに、産業医科大学の両立支援科の症例検討会に出席しその支援方法などを学んでいます。産業保健サービスが遅れている小規模事業場に対する支援については、群市区医師会の登録産業医の協力を得て、地域窓口(図2)での活動に力を入れています。地域窓口での課題は、小規模事業場への当センターの活動の周知が困難であることから、今回あんしん財団のホームページで紹介していただくことが周知の拡大に繋がると期待しています。

 ご相談やお問合せについては、福岡産業保健総合支援センターHPのお問合せフォームにて事前にご連絡いただくとスムーズです。

福岡産業保健総合支援センター HP. http://www.fukuokas.johas.go.jp
〒812-0016福岡市博多区博多駅南2丁目9番30号 福岡県メディカルセンタービル1階 TEL. 092-414-5264