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新入社員のストレス対策

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新入社員のストレス対策




4月は新入社員にとって学生から社会人へ大きな変化を迎える時期です。
これまでとは生活環境が異なる社員に対して事業所でのメンタルヘルスケアやこころの不調を未然に防ぐ一次予防が重要です。
事業所ではどのように対応をすればいいのでしょうか。
今回は、2回にわたり新入社員のストレス対策についてコラムで紹介いたします。

※第1回は2022年2月、第2回は2022年3月に公開された記事です。

【参照:インデックス】

第1回 新入社員の健康管理と「五月病」



【執筆者:神山 昭男(こうやま あきお)先生】

プロフィール
精神科医 産業医 医療法人社団桜メデイスン有楽町桜クリニック院長 日本産業精神保健学会理事(第28回大会長) 日本精神神経科診療所協会副会長 東京精神神経科診療所協会前会長 日本産業保健法学会理事
日本産業ストレス学会第24回大会長 日本精神神経学会第115回総会副会長


1. 新入社員と五月病

4 月に入社して5 月のゴールデンウィークが過ぎる頃に、新入社員にはいろいろな変化が出てきます。新入社員の健康管理として大切な時期といえます。
「五月病」は医学上の病名ではなく、職場や生活面のストレスを契機として生じる心身の不調をさし、一種の環境不適応状態といえます。典型例では身体面の頭痛、めまい、倦怠感、吐き気、下痢、腹痛、心理面の情緒不安定、意欲、集中の低下、不眠、行動面の遅刻、早退、欠勤、離席の増加などが認められますが、本人がストレスのせいと自覚していない場合もあります。


2. 適応は環境と個人要因の組み合わせ

新入社員の適応をリードする職場は、適応には環境と個人の双方の要因が大きく作用することを理解しておきましょう。
例えば、内向的で新しい人間関係が苦手な社員には優しく静かに教えてくれる先輩の存在が大助かりです。反対に外向的で人間関係作りが得意な社員がきつい業務を指示されて結果のダメ出しをされたら、めげてしまい不適応のリスクが高まります。社員の特性に応じた教育的配慮で安全に適応をめざすことが重要です。


3. 新入社員の健康不調の3つのタイプ

最近、この時期の健康不調には大きく3つのタイプがあります。第1は初めての発症で環境要因が強い場合です。五月病と同様に健康面と労務面に不具合が生じます。職場や生活の困難要因を探り、適応しやすくする調整と本人のケアが大切です。
第2はやはり初めての発症ですが個人要因が強い場合で、主として労務面に支障が出ます。職場で配慮をしても学習効果がでにくい、会話による意思疎通が難しいなど、個人側の適応力に課題が目立つ場合です。 健康面にも問題があると職場が認識しにくい傾向があります。
第3は以前の病気が再発、悪化した場合です。投薬、診療の実績が入社後に明らかになる場合です。背景には高校生や大学生のメンタルヘルス不調者の増加があります。


4. 不適応の予防と早期対処

新入社員は基本動作が身についていないので特に労務面も健康面も配慮が必要です。新入社員が相談しやすい担当者の配置、定期面談の実施、上司の支援力向上研修など環境作りが第一歩です。
もう一つ重要な点は、身体面、心理面、行動面の全体から見ていくことです。メンタル系の病気でも心身両面に症状が出ます。また、診断、治療の難易度は高まる傾向があります。職場が相談できる専門医を確保することをお勧めします。


第2回 新入社員をテレワークのストレスから守る



【執筆者:森口 次郎(もりぐち じろう)先生】

プロフィール
一般財団法人京都工場保健会 診療所副所長・産業保健推進本部医療部長 産業医学研究所所長 医学博士

1. 新入社員のストレスはテレワークで高まる?上司や先輩による支援の強化を!

 新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)をきっかけに多くの企業で導入されたテレワークは、働く人たちの環境に大きな変化をもたらしました。また、新しい世界に入ってくる新入社員が、ストレスを感じることは容易に想像できますが、慣れないことばかりなのに、上司や先輩に気軽に質問や相談がしにくいテレワーク環境に置かれ、さらにストレスが大きくなるかもしれません。
 産業医として新入社員と面談してきた経験を振り返ると、テレワークを導入した2020年度は、「上司から十分な助言や指導が得られない」と悩んでいる人が散見されました。2021年度はオンラインの朝礼や1対1の遠隔面談などを定例化することで上司との意思疎通は向上しているものの、身近であるはずの先輩に相談しづらいことが悩みになっているようです。確かに、出勤して隣にいる先輩に気軽に問いかけることとは敷居の高さが違うかもしれません。この解決に、他部署の先輩を気軽な相談相手とする メンター制度を利用している会社もあります。

 テレワーク環境での意思疎通がチャットやメールに偏っている部署を見かけますが、冷たい印象になるなど欠点もありますので、テレビ会議などの顔が見える形式も積極的に利用してください。

2.公的資源や無料のツールの活用を

 筆者らの調査で、中小企業は新型コロナの情報収集に重要性を感じて力を注いでいるものの、正しい情報か否かの判断に苦労しているとの結果を得ています。今回のテーマであるテレワークのストレスをはじめとする情報収集には各都道府県の産業保健総合支援センターが頼りになります。窓口、電話、電子メールなどによる相談対応とメールマガジンなどによる情報発信も行っていますので、ぜひ利用してください。そのほかにも新型コロナやテレワークに関わる健康管理について参考情報が得られるウェブサイトがありますので紹介します。参考になれば幸いです。


①産業保健総合支援センター(さんぽセンター)
https://www.johas.go.jp/shisetsu/tabid/578/default.aspx
②いまここケア(最近、注目のマインドフルネスなどが説明されています)
https://imacococare.net/
③こころの耳(働く人の相談窓口が、電話、メール、SNSの三パターンで用意されています)
https://kokoro.mhlw.go.jp/agency/
④こころコンディショナー(AIチャットボットによるチャット相談ができます)
https://www.cocoro-conditioner.jp/