【全】Zoom
文字拡大 標準 拡大 標準 拡大
コンテンツ

こころの“あんしん”ゼミナール Vol.3 メンタルヘルス対策セミナー報告

「健康経営」をめざせ

メンタルヘルス対策を実施している企業のほうが儲かっている

ここで、職場におけるメンタルヘルスの状況と企業業績の関係を見てみましょう。
下のグラフは早稲田大学黒田祥子教授と慶應義塾大学山本勲教授が、2004 年から 2007 年にかけてメンタルヘルス休職者比率が上昇した企業とそれ以外の企業に分けて、売上高利益率の変化幅(3年前からの変化幅)の推移を示したものです。
2008年のリーマンショックによる景気後退の影響で、どの企業も売上高利益率が減少しているものの、メンタルヘルス休職者比率が上昇した企業ほど、売上高利益率が減少していることがわかります。

pic

メンタルヘルス休職者比率と売上高利益率との関係

図表

【出典】「企業における従業員のメンタルヘルスの状況と企業業績」 2014年独立行政法人 経済産業研究所(黒田・山本)

「メンタルヘルスは、本人の性格の問題なのでは…」と考えている経営者に対しては、「メンタルヘルス対策を行うことで、メンタルヘルス休職者の少ない企業の方が儲かっている」ことを説明するデータとして使えるでしょう。さらにいうと、このような経営者に対しては、ネガティブな響きのある「メンタルヘルス」ではなく、「健康経営」という言葉を使った方が、経営者の心に響くのではないかと、私は考えています。

▲ ページ上部へ

業績向上や企業価値向上に資する「健康経営」

さて、健康経営とは、「従業員の健康保持・増進の取組が将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」です。企業が経営理念のもと、従業員の健康保持・増進に取り組むことで、従業員のモチベーションアップや生産性の向上など組織の活性化につながり、ひいては企業全体の業績向上や企業価値向上などプラスにはたらくという考え方です。

図表

【出典】 経済産業省・平成29年度銘柄説明会資料「健康経営銘柄2018」及び
   「健康経営優良法人(大規模法人)2018」に向けて(2017年9月)より抜粋

この健康経営を推進するために、経済産業省では2015年より認定制度をスタート。東京証券取引所と連携し健康経営のリーディングカンパニーを「健康経営銘柄」として1業種1社顕彰しています。さらに、2017年からは日本健康会議と連携し、「健康経営優良法人認定制度」を始めました。大企業には「ホワイト500」と称し2020年までに500社以上の認定を、中小企業には「健康宣言」に取り組む法人を1万社以上目指しています。 2017年に認定された健康経営銘柄は24社、健康経営優良法人は、大規模法人が235社、中小規模法人が318社でした。

健康経営に係る顕彰制度の対象法人

図表

▲ ページ上部へ

「健康経営優良法人」として認定されるには

では、中小企業が「健康経営優良法人」として認定されるにはどのようなステップが必要なのでしょうか?
まずは、協会けんぽなど、企業が加入している健康保険組合(保険者)にて実施している健康宣言事業に参加した上で、事業所全体で健康づくりに取り組むという「健康企業宣言」を行い、申請資格を得ることが必要です。
次に、自社の取り組み状況が認定基準に達しているかどうかを、経済産業省のHP(健康経営優良法人認定制度)などに掲載されているチェックリストをもとに点検。十分に取り組めていると判断したら、申請書に必要事項を記入し、各健康保険組合に提出します。
認定基準は毎年条件が少しずつ変わりますが、「健康経営優良法人2018(中小規模法人部門)」の認定基準は以下の通りです。新たに「病気の治療と仕事の両立支援」が加わると共に、50人以上の事業場におけるストレスチェックの実施が必須条件となっています。

健康経営優良法人2018(中小規模法人部門)の認定基準

図表

▲ ページ上部へ

「健康経営優良法人」認定のメリット

健康経営優良法人として認定されると、認定マークを名刺や自社のHPに掲載できます。これまで認定を受けた企業からは、社内外や投資家に向けてアピールでき、就活生の募集増加や内定辞退者の減少、取引先からの評価向上など、経営的なプラス面が多かったという声が寄せられています。

経済産業省の発表資料によると、最近では、就活生やその親にとって、企業の知名度や企業規模の大きさ、および給与の高さや雇用の安定以上に、「従業員の健康や働き方に配慮している」企業かどうかが就職先を決める大きなポイントとなっています。今や従業員の健康への取り組みが、優秀な人材を確保する上で非常に重要になっていることを表しています。
また、健康経営の取り組み度合が高い企業ほど、年間の医療費平均が低く、メタボ該当率や血圧リスク者率などの各種リスクが低いというデータもあります。
これらの点からも健康経営に取り組むメリットは大きいといえるでしょう。

図表

【出典】 経済産業省・平成29年度銘柄説明会資料「健康経営銘柄2018」及び
   「健康経営優良法人(大規模法人)2018」に向けて(2017年9月)より抜粋

pic

4 中小企業のメンタルヘルス対策のための5ステップ

▲ ページ上部へ