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第1回 食事と運動

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第1回 食事と運動

尾久 裕紀(おぎゅう ひろき)
大妻女子大学 人間関係学部 教授
AMAROK JAPAN代表
企業の産業医も務める



今回、新型コロナで家にいることが多く、食べ過ぎ、運動不足という悩みをお聞きすることが多いことから、少しテーマを絞ってお伝えします。

外出することが減り、家にいる時間が増える分、食事が楽しみの一つになり、いつもより多く食べ過ぎ、お酒もつい飲み過ぎてしまう方もいらっしゃるかもしれません。最近、年齢と共にお腹周りが太ってきたという方もいるでしょう。 そのような場合の対応として、腹八分目にする、夜遅く(22時以降)にいっぱい食べないことに加え、腹筋運動、ウォーキングなど運動習慣を取り入れるとよいでしょう。また、カロリーの摂り過ぎに注意されている場合、缶コーヒー、清涼飲料水などの飲み過ぎに注意してください。角砂糖換算で、185gの小さな缶コーヒーで3~4個、500mlのスポーツ飲料だと7~14個も入っています。カロリーゼロと謳った商品も実際には糖尿病のリスクを高めているという研究がありますので、少量摂取するのはよいのですが、過大評価しない方がよいでしょう。

在宅勤務が主の場合、運動は欠かせません。1日最低1回は散歩をすることをお勧めします。散歩することで日光を浴び(曇っていても日光の効果はあります)、睡眠覚醒リズムを保ち、運動することで足腰の筋力低下を予防し、うつや不安も軽減します。何らかの理由で散歩ができない場合は、家の中で簡単な運動をします。また在宅勤務では仕事に集中しすぎて、長時間労働になることがあります。意識して1時間に1回は休憩をとってください。休憩中は立ち上がって、仕事以外のことを考える、ストレッチをするのがお勧めです。そうすることで、PC作業による肩こり、首の痛み、腰痛、手の痛み、目の疲れを軽減できます。

仕事が終わったら、散歩や運動をすることでオンとオフを切り替えましょう。通勤時間がない、少ないことは一見よさそうですが、切り替えができず、大きなストレス要因になるという研究もあります。

 

 

【参照】インデックス

経営者の健康に役立つ研究コラム


私はAMAROK JAPAN代表として、中小企業経営者や個人事業主の健康・メンタルヘルスについての調査と分析、それを踏まえた日仏での比較を行い、その研究成果を発表してきました。
今回、あんしん財団の「こころの“あんしん”プロジェクト」のサイトに、「経営者の健康に役立つコラム」執筆の機会をいただきました。
今までの研究の成果も踏まえながら、中小企業経営者や従業員の皆さんに役立つような内容をさっと数分で読めるように簡潔にまとめて連載したいと思います。
お仕事の合間のちょっと手の空いたときにお読みいただいて、少しずつでも参考にしていただき、皆さんの身体と心の健康づくりに役立てていただければ幸いです。

尾久 裕紀(おぎゅう ひろき)
大妻女子大学 人間関係学部 教授
AMAROK JAPAN 代表
企業の産業医も務める