第3回 ストレスへの対処方法〜例えば対顧客ストレス〜
【執筆:茅嶋 康太郎(かやしま こうたろう)先生】株式会社 ボーディ・ヘルスケアサポート 代表取締役、医学博士
今回はメンタルヘルス対策の中での基本「セルフケア」について述べたいと思います。
企業において事業活動を行うのに、商品を製造して売る、サービスを提供して対価を得る、何れにしても「顧客」が存在します。お互いWin-Winの関係が理想ですが、現実的にはサービス提供側に対顧客のストレスがかかる場合が多いのも現実です。「お客様相手なのでしょうがない」ではなく、ストレスを認知し、原因を分析し、対処するための方法を考えていきましょう。
*ストレスとは「外部から刺激を受けた際に生じる緊張状態」とも定義されます。
ストレスの要因は3つに分類され
1) 身体的要因〜病気や怪我によるもの
2) 心理的要因〜悩みや不安によるもの
3) 社会的要因〜人間関係によるもの
顧客対応によるストレスは心理的および社会的要因によるストレスと考えられます。では、原因となる外部からの刺激は何でしょう?
*顧客対応による外部からの刺激
(1)クレーム
自社の製品への不満、サービスへの不満を突きつけられる。
- まず顧客の怒りを鎮める必要があり
- お詫びをしてから事実確認→対応策の提案しないといけないが・・
- 顧客の言うことに妥当性がなくても納得させないといけない
- どうやって妥協点を探すか苦労する
- 第一声でいきなり罵声!も
(2)ノルマ
売り上げの目標数値、業績評価。
- 達成可能はレベルより少し上の目標はモチベーション↑ につながり好ストレス
- 達成不可能は目標はプレッシャーになるだけで逆効果で過度なストレス
- 対応した件数による評価か、顧客満足度を指標に評価するのかでストレスは変わる
- プレーヤーとしての評価と、マネージャーとしての評価の問題
- 営業としての成績とサービス提供側の成績が連動しているか、相反していないか
(3)ダブルバインド
二重拘束〜矛盾した命令をこなさなくてはならない状態。
顧客からの要望と会社指示の板挟み。
- 顧客対応を丁寧にしながらも数も捌く
- 明らかに自社に非があるケースでも、返金を受け付けずに顧客の好感度を維持する
- 状況が整理できても問題解決方法が存在しない 重度の社会的ストレスです。
*固定電話恐怖症
若い世代に多く、通話よりチャットでのやり取りに慣れているために起こります。
原因:
- 固定電話が減った
- 電話に出るまで相手と用件がわからない
- こちらの都合を無視して電話がかかってくる
- スマホでの通話をする回数が減った(電話慣れしていない)
- 通話の代わりにSNSやメッセージのやりとりが増えた
- 電話が必要な案件はリアルタイム性が求められるトラブルの可能性が高い予感・・
*ストレスの対処方法
ストレスに気づき、自分に起きているストレス反応に気づくことです。そしてストレスの原因を考える。顧客ストレスに関しては上記の原因分析になります。そしてストレス軽減の方法を考える。この項ではあえて具体的な軽減方法については触れません。答えはみなさんの中にあると思うからです。各社で職場環境改善と生産性アップのために話し合っていただけると幸いです。
参考*セルフケアのコツ

