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【厚生労働省】「人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議」の報告書が公表されました。

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 厚生労働省から「人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議」の報告書が公表されました
~エイジフレンドリーな職場の実現に向けて~
  
  厚生労働省の「人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議」(座長:城内博 日本大学理工学部特任教授)では、このたび、高齢者が安全で健康に働ける職場の実現に向けて取り組むべき事項に関する報告書が取りまとめられ、公表されました。
 
 人生100年時代を迎え、高齢者から若者まですべての人が元気に活躍でき、安心して暮らせる社会づくりが必要とされています。今後、60歳以上の雇用が一層進むものと予測される中、労働災害による休業4日以上の死傷者のうち、60歳以上の労働者の占める割合は26%(平成30年)で増加傾向にあります。こうした状況を踏まえ、この有識者会議は、高年齢労働者の安全と健康に関して幅広く検討するため、令和元年8月から同年12月までに5回にわたり開催されました。
 
 有識者会議では、「経済財政運営と改革の基本方針2019~「令和」新時代:「Society5.0」への挑戦~」(令和元年6月21日閣議決定)で「サービス業で増加している高齢者の労働災害を防止するための取組を推進する」とされていることなどを踏まえ、高齢者の身体機能から長期的な推移や壮年者との比較からわかる特性を整理するとともに、年齢、性別、経験期間が労働災害の発生率に与える影響について分析するほか、高齢者の安全衛生対策に積極的に取り組んでいる企業などの担当者や関連分野の有識者へのヒアリングを実施した上で、働く高齢者の安全と健康に関して幅広く検討を行い、事業者と労働者に求められる取り組み事項や、国および関係団体などが取り組むべき事項が取りまとめられました。
 
 厚生労働省はこの報告書を踏まえ、今年度中に高年齢労働者の安全と健康の確保に関するガイドラインを策定し、次年度に向けてその普及促進を図っていきます。併せて、令和2年度からは、ガイドラインに沿って高齢者の安全・健康の確保に取り組む中小企業への助成(競争的補助金)を実施する予定です。
 
■報告書のポイントと項目
○今後に向けた課題と対応の方向性 働く高齢者についても就業構造のサービス化、ホワイトカラー化が進展していく中で、様々な現業部門の安全衛生対策とともに、管理・事務部門の対策も重要
経験のない異なる業種、業務に転換(キャリアチェンジ)して就労し、業務に不慣れな高齢者が多くなることに留意
働く高齢者に特有の特徴や課題に対応していくことが重要。その際、フレイルやロコモティブシンドロームといった高齢期に現れてくる特徴も考慮が必要。その他、病気の治療と仕事の両立支援の視点を取り入れることも必要
働く高齢者に体力や健康状態が低下するという課題があるとしても、労働者が体力や健康の維持改善に努め、事業者が取組を進めることで、安心して安全に働くことが可能
 
○高齢者が働きやすい職場環境の実現のために(ガイドラインに盛り込むべき事項) 高齢者が働きやすい職場環境を実現するため、労使の取組を促進するためのガイドラインを取りまとめることが適当
各事業者においてガイドラインを参考として、事業場の実情に応じた実施可能な取組を進めるよう期待
(1)事業者に求められる事項
①全般的事項
   経営トップによる方針表明・体制整備や危険源の特定等のリスクアセスメントの実施
②職場環境の改善
   身体機能の低下を補う設備・装置の導入等(主としてハード面)や働く高齢者の特性を考慮した作業管理等(主としてソフト面)の改善
③働く高齢者の健康や体力の状況の把握
   健康診断や体力チェックの実施による働く高齢者の健康状態の把握等
④働く高齢者の健康や体力の状況に応じた対応
高齢者個人ごとの健康や体力の状況を踏まえて状況に応じた業務の提供
⑤安全衛生教育
経験のない業種、業務に従事する高齢者に対し、特に丁寧な教育訓練
 
(2)労働者に求められる事項
自己の健康を守るための努力の重要性を理解し、自らの健康づくりに積極的に取り組む
 
○国、関係団体等による支援
ガイドラインの普及に向けた広報や、個別事業場に対するコンサルティング、中小事業場における取組の支援(助成金等)
 
○地域で取り組まれている健康づくりや健康保険の保険者との連携
生涯を通じた継続的かつ包括的な保健事業を展開するため職域保健と地域保健の連携を推進(地域・職域連携推進協議会)

※詳しくはこちらからご確認ください。